吸収動作
またまたFSMLに投稿した
メールの焼き直しです.
腰痛についての最後の方に
そして,エアのランディングの衝撃を,足首,膝,股関節をフルに使って吸収するようにしましょう.
衝撃吸収に上体も参加するなら,腰だけを折り曲げずに体全体をつかうよう心がけて下さい.
と書きました.
例えばテーブルトップで跳んだとして(台にもよりますが)ちょっと跳べる人なら,
テーブルの上に立った人の頭上を超えるくらいの高さは出すでしょう.
そうして,2m程度の高さしかない小さ目のテーブルトップだと,ランディングバーンの
端まで飛ぶことも珍しくありません. これら2つの条件がそろったとすると,エアの頂点から
ランディング地点まで3m〜4mの落差になります.
この程度のエアは珍しくもなんとも無いですよね?
「小さすぎて珍しい」って言う人もいそう(^^;
しかし,3m〜4mと言えば,2階の窓くらいの高さになります.
2階の窓から飛び降りて,怪我をしない自信のある方以外は,ランディングバーンを飛び
越えてフラット落ちするようなジャンプはしない方がいいでしょう.
逆にRのきつい打上型の台では,テーブル落ちしない様に気を付けましょう.
テーブルを越えられなくても,テーブル上で2mの高さが出ていれば,結構な衝撃が
あるはずです.
さて,上手く飛距離を調節して,ランディングバーンに降りた場合にも,落下時の運動エネルギー
の一部はランディングバーンと垂直な向きの衝撃となって,プレーヤーに返ってきます.
これを上手く吸収できないと膝や腰を痛めたり,跳ね飛ばされてメイクできなかったりする
結果になります.
ですから,ランディングでの吸収動作は重要です.
上手い吸収動作のコツとして最も重要なのは
体の傾きをランディングバーンの斜度にあわせること
です. この体の傾きは,縦回転を伴うトリックでは,回転の調整で行います.
ストレートや軸を傾けないスピンでは,空中で一旦縮めた体を開く方向で調整できます.
ただ,よほど急なランディングバーンに降りるんだったり,ツインチップのスキーボードを履いて
いるのでなければ,大抵のストレートエアは鉛直にサッツして,鉛直にランディングしても問題ない
はずです.(短い板は笑っちゃうほどスピンが簡単ですが,後傾ランディングには
メチャメチャ弱いです.)
このランディングバーンへの体の傾きのあわせ方は,トランポリンやウォータージャンプで
練習できなくもないですが,実際に雪で数を跳んでモノにするのが手っ取り早いと思います.
注意点としては,台のRに慣れて,ランディングの斜度に体をあわせられるようになる
までは,押さえて跳んで,徐々に高さを上げていくことくらいでしょうか?
吸収動作のコツとして,次に重要なのが,最初に書いた
足首,膝,股関節をフルに使って吸収を行うこと
です. 特に足首の曲げが十分でないために,尻が後ろに落ちて,膝(前十字靭帯)や脛に負担を
かけている人が少なくないので,そういう人は,ランディング後に両手で板のトップに触るくらい
のつもりで足首を前傾させて深く沈んでみると良いかもしれません.
(吸収動作で沈み込んだら,すぐに立ち上がって下さい. でないとランディング後のギャップ等に
対処できなくなります.)
以下に吸収動作の OFF SNOW トレーニングメニューを紹介します
膝や腰に負担をかけるトレーニングですので,膝や腰を痛めている人はやらないでください.
また,実行する場合は,周囲の安全に注意して,必ずSTEPを踏んで行って下さい.
STEP1.
膝〜腰くらいの台(なければ階段の3〜4段目)に 両足ジャンプで飛び乗り,着地する時に足首,膝,股関節を
柔軟に使って,着地の衝撃を吸収する.
「腰」を曲げずに,ほとんど音を立てず,バランスを保った着地ができたらSTEP2へ.
吸収動作の留意点
- 膝を曲げる方向を爪先の向きと一致させる → 重要 膝の保護
- 着地したとき腰椎で上体を曲げない → 腰の保護
- 足首を十分に曲げる → バランスの維持,膝(前十字靭帯)の保護
- 視線を安定させる → バランスの維持
このSTEP1.で体への負担を最小限に押さえながら,吸収動作を練習できます. この段階で膝と爪先の向きを
一致させた深い沈み込み姿勢をマスターして下さい.
STEP2.
膝〜腰くらいの台(なければ安定した椅子)から上にジャンプせず飛び降り,着地する時に足首,膝,股関節を
柔軟に使って,着地の衝撃を吸収する.
「腰」を曲げずに,ほとんど音を立てず,バランスを保った着地ができたらSTEP3へ
STEP3.
スクワットジャンプして,着地する時に足首,膝,股関節を柔軟に使って,着地の衝撃を吸収する.
「腰」を曲げずに,ほとんど音を立てず,バランスを保った着地ができたらSTEP4へ
- 最初からフルジャンプしないで,徐々に高さを上げていくこと.
- 慣れないうちは着地点を見ながら行うが,慣れたら視線を正面で維持する.
STEP4.
階段の3〜4段目から上にジャンプせずに飛び降り,着地する時に足首,膝,股関節を
柔軟に使って,着地の衝撃を吸収する.
「腰」を曲げずに,あまり音を立てず,バランスを保った着地ができたらSTEP5へ
- 慣れないうちは着地点を見ながら行うが,慣れたら踏み切り時に着地点を見て,着地時には視線を正面に向ける.
STEP5.
階段の1段目からスクワットジャンプして飛び降り,着地する時に足首,膝,股関節を
柔軟に使って着地の衝撃を吸収する.
「腰」を曲げずに,あまり音を立てずにバランスを保った着地ができたら,階段の段数を増やしていく.
- 最初からフルジャンプしないで,徐々に高さを上げていくこと.
- 慣れないうちは着地点を見ながら行うが,慣れたら踏み切り時に着地点を見て,着地時には視線を正面に向ける.
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