このページの内容はあくまで私の意見であり,それ以外の何物でもありません.
私の意見が変われば,内容も予告なく変更されることでしょう.
「自己責任」ということについて…
「自己責任」という言葉があります. スキーに限らず危険を伴うスポーツを行う場合には
誰もが心に止めておくべき言葉だと思います.
跳ぶのを決断するのは自分だし,怪我をするのも自分.
怪我をしたら泣き言を言って他人を責めたりしない.
非常に潔い態度です.
しかし,そんなに単純なものでしょうか?
あなたの作ったエア台で誰かが大きな怪我をしたとして,
あなたは「自己責任だからしょうがないね」と言って済ませることができますか?
現実に何らかの補償を求められることは非常にまれだとしても,
罪悪感を感じずに済む人もまた,まれでしょう.
どんなに安全に留意していたとしても
「もっと〜していれば…」
という後悔が残らないことは無いと思います.
数年前の初夏,レベルがバラバラなモーグル好きグループで月山に行き,エア台を作って遊びました.
フラットランディングにならず,ランディング周辺がスタート位置からよく見える斜面を選び,
初級者用の膝くらいの高さの台と,エアになれたメンバー用の胸くらいの高さの台をならべて作りました.
グループの中ではエア慣れしていた私は,エア台作成の指揮者の1人でした.
ランディングには定期的にチョップを入れていました.
エアに慣れていない何人かが,小さい方ではもの足りなくなって,大きい方を跳び始めました.
最初の1,2本は,エア慣れしたメンバーも注意して見守っていました.
気後れから腰が引けてすっぽ抜ける危険に関しては特に注意しました.
多分大きい台に移って4本目か5本目でしょう,それまでこわごわ踏み切っていた1人が
きっちりサッツし,きれいな放物線で跳び,ジャストでランディングした後,転倒しました.
前十字靭帯の断裂でした.
自分のやっているスポーツの危険性に関する認識の甘さを思い知らされました
事故を防ぐために,もっと何かできたんじゃないかという思いは,多分ずっと消えないと思います.
フリースタイルスキーに限らずスポーツに内在する危険を知っている皆さんにお願いします.
危険に対する知識の無い初心者/初級者を煽って危険な行為に導くような真似は絶対にしないで下さい.
そして,危険な技に挑戦しようとしている皆さん,仲間とのセッションでヒートアップしている時でも
冷静な判断は無くさないで下さい.
自分に本当にその技ができるのか?
失敗したときの危険は?
危険を減らすために出来ることは全てやったか?
冷静に考えて下さい. 自信と過信を取り違えてはいけません.
自信とは他人と自分とを比較しての相対的なものでなく,「自分はこの台,このランディングなら間違いなく
この技をメイクできる。」という自分への信頼です.
往年のモーグルの帝王 E・グロスピロン の言葉に
「自信はトレーニングによって作り上げることが出来る.」
というものがあります. 含蓄深い言葉です.
冷静に考えて行けると思ったなら,自信を持って,気持ちのいいエアを跳んで下さい.
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