鎖骨骨折体験記
復帰後初エア編
行ってきました、骨折後の初トビ.
実はもう結構前なんです…11月頭くらいだったかな?
スノーヴァ溝ノ口はゲンが悪いので,今回はスノーヴァ新横浜にしました.
新横浜も溝ノ口も施設/ゲレンデのスペックは同じようなもんですが,
細かい点がいろいろと違っていました.
まず,駐車場は溝ノ口の方が広いです.
溝ノ口のはごく普通のアスファルト舗装の青空駐車場なんですが,
新横浜の駐車場はゲレンデ施設の下にあります.
SSAWSの駐車場と同じような設置方法ですね.
施設が屋根になってるんで,雨の日にも車の横でのんびり準備ができるのは良いです.
しかし…
施設自体がSSAWSとは比較にならないくらい小さいので,キャパシティ,かなり小さいです.
平日はともかく週末は駐車スペースが足りなそう.
最寄駅も歩ける距離じゃなさそうだし,実は新横浜は混みにくいのかも?
ちなみに溝ノ口の方は駅から徒歩1分くらいじゃないかな?
次に施設内に入ると,溝ノ口では目の前に広い窓からゲレンデが眺められるギャラリースペースが
ありましたが,新横浜のギャラリースペースは受付より1つ上の階にあって,窓が狭目です.
他人のエアを眺に行くなら溝ノ口がお薦め.
ってのは冗談で,溝ノ口では,このギャラリースペースにビデオカメラを設置して,
とりっぱにする方もいるようです.
確かに常にスタッフの目の届く場所なんで,スタッフに一声かけてお願いすれば
カメラを置きっぱなしにしても安心な場所です.
利用方法に関しての違いは,新横浜の方がヘルメットを借りる手間が少ないくらいかな?
さて,肝心のゲレンデについて.
新横浜のゲレンデに入って最初に気がつくのはゲレンデ上部の巨大スクリーン!!
やかましいCMだとかプロモーションビデオが流れているわけではありません.
ゲレンデ内の映像を30秒遅れで流しています.
つまり、自分のエアをスクリーンで確認できるわけです。
最初は「素晴らしい!」と思ったんですが…
これについては詳しくは後の方で書きます.
結論だけ言えば,確かになかなか良いサービスには違いないけれど,
現状だと「素晴らしい!」ってほどじゃぁ無いってのが私の感想です.
「いいね」くらい.
次に気がつくのはテーブルトップ/ハーフパイプ/ムービングベルトの3つの位置関係.
溝ノ口はゲレンデ下から見て HP/TT/MV の順でならんでいます.
新横浜はゲレンデ下から見て TT/HP/MV の順で並んでいます.
すなわち
溝ノ口ではムービングベルトに乗っている間,他の人のワンメイクエアを見ることになり
新横浜ではパイプパフォーマンスを見ることになります. 逆はあまり見えません.
テーブルトップ派の私には,この点では新横浜が大減点.
他の人のエア,特にサッツを真横から見るのはためになるand/or面白いのに,
新横浜ではそれができません.
逆にハーフパイプ派の方には新横浜得点UPですね.
テーブルトップ自体については,
2000年11月の新横浜のテーブルトップは2000年5月の溝ノ口より幅が広くて
跳びやすく感じました.
しかし,スノーヴァ系は大会やイベントの前後には台を大きくしたり,
それ以外でもメンテナンス等で頻繁にいじっているようなんで,
今回の印象が次回も変わらないかってことはあてにできなそうです.
まぁいく人の運によるってことでしょう.
あと,重要な客層について.
これについても後の方で出てきますが,
2000年11月の新横浜は2000年5月の溝ノ口よりずいぶん賑わっていました.
ほぼ100%スノーボーダーですが,結構跳びなれた感じの人が何人もいて,
どうも平日夜でも曜日ごとに常連がついているような感じです.
5月の溝ノ口は本当にガラガラだったのに…
この違いはシーズンが近づいたせいなのかな?
それともこの半年でスノーヴァ系列に常連が増えたのか?
はたまた5月のアノ日がたまたますいてたのか?
ともかく,この点に関しての私の印象は新横浜の圧勝でした.
さて,スノーヴァ溝の口と新横浜の施設・ゲレンゲの違いに関する
一般的な感想はそんなところで,
ここからは骨折後初トビのレポートになります.
アノ日と同じく平日曜夜の21:00くらいに駐車場に着いて,手早く着替え,
上で色々書いた違いを感じながら受け付けへ行きました.
ちなみにスノーヴァ溝ノ口と新横浜の会員カードは共通でなくて,
「怪我しても文句いわないよ」誓約書への署名当の手続きを改めて行います.
手続きをすませ,滑走料金をはらって,ヘルメットを借りてゲレンデへ
「巨大スクリーン素晴らしい!」とか
「なんだよムービングベルトからテーブル見えないじゃんかよ!」
とか思いながらムービングベルトでゲレンデトップへ登ります.
登りながら,口の中が乾いていく. トップに着いて…
上から台を見る.
心臓がバクバクいってる…
喉が詰まる…
なんか足が地についてない感じも…
………
そっか,やっぱ恐いんだ.
とりあえず板を履いて(指が震えた),他の人の様子を見ます.
スキーは私一人. スノーボーダーが15人くらい. 5人はハーフパイプ.
テーブルトップのスノーボーダーはほとんどが結構跳びなれてる様子.
中でも3人は他の人より飛びぬけて高さを出している.
うまい人のエアを見るのはやっぱ楽しい.
全員の一巡とちょっとくらいスノーボーダーのエアを見て,
気がつくとだいぶ落ち着いている.
心伯数はあいかわらず高いけれど,口の渇きが消えて,地に足がついた.
行ける.
順番待ちが切れるのを待って,スタート台を使わずに台に向けて滑り出す.
台の手前で気持ち減速して,跳ばずに台を滑って越える.
他の人達に
「何やってんだかトーシロが」とか
「初心者のファンスキーヤー?」とか思われてるんじゃないかと
ヒジョーに気になる.
自意識過剰だと自分をいさめてインスペクションに集中.
滑って見るとランディングは思ったよりちゃんと斜度がある.
ちょっと掘れているところもあるけどこれは気になるほどではない
気になるのはランディングバーンの硬さ.
今日のところは転ばないエアに専念しようと決める.
ムービングベルトで再びゲレンデトップへ.
スタート台の下の段からスタート. スケーティングは無し.
軽く踏み切る.
ウワッ! 左肩が引ける! 体が伸びきった!!
「テーブルをぎりぎり越えたか?」と思ったけれど、テールがノールにかかる場所に
微妙に左を向いて後傾で着地.
右の外エッヂに乗ってほとんど片脚で滑ってストッピングエリアへ…
その後3本似たような感じで1本毎に恐さは減ってきているが、エアはバラバラ
問題は2つ
(1)ランディング前に左肩が引けてしまう
(2)サッツで体が伸びきってしまう
まずは(2)をなんとかして空中で体をコントロールできるようになれば,
ランディングに備えて左手を前に出して(1)も解消できるはず.
ではサッツの狂いの原因は?
たぶん踏みのタイミングが早すぎることと、
進入速度と踏み切りが不十分で、台から十分に上昇力をもらえてないこと.
ってな分析を終えて,次!
スタート位置は同じ 進入速度も同じ
脛に加重しながら腰を落としてサッツに備える
今までの踏み切りより一瞬待ってちょっと強めに踏みきり
膝が胸の下にあがってくる
瞬間ノーグラブのタック
タックをときながら左手を前に
ランディング
よっしゃ!
タック姿勢でテーブルを越えるだけでグラブの余裕はないけれど,
きれいに跳んできれいに着地できた.
次のステップは進入速度のアップ.
スケーティングすべきかスタート台の上の段から出るべきか?
スケーティングを入れるとサッツ迄がいそがしくなりそうなので
スタート台を上がることに決める.
スタート台の上に立つ
心拍数がまた高くなってくる
深呼吸してスタート台の斜度に体をあわせドロップインするようにスタート
腰を落として台に進入
進入速度は想像したほど上がっていない
一瞬待ってちょっと強めに踏みきり
クロスミュート
着地点を確認してランディング
後傾! こらえろっ! やばい転ぶ!!
ボテッ ズリズリ
尻餅をついて自分でも驚いたくらいうまく左肩をかばって尻滑りでスピンしてました.
とりあえずダメージは無い.
もっと積極的に行けばなんとかなるって感触があった.
じゃぁ空中で大きく動ける技を跳んで見よう.
つづけてスタート台の上から
スケーティング二漕ぎ
強めに踏みきって
コザック
きもちいい!!!
成功 その後,メソッド,テール,ハントニー等を試して,
ランディングで左肩が引けぎみになりながらどれも成功.
高さは出せていないけれど,
まだ恐さも残っているけれど,
楽しさが湧いてくる.
もっと跳びたい.
そう思えることがうれしい.
成功しはじめると巨大スクリーンが気になり出します.
「今のどうヨ? チョイ低いけどイケテたでしょ?」ってな感じで
スクリーンを見つめます.
しかし
固定カメラで撮ってるんで巨大スクリーンと言えど映りが小さくて
ゲレンデ下からでは自分の姿はあまりよく見えません.
ランディング〜ゲレンデ下についたらすかさず板を脱いで
ムービングベルトを小走りで駆け上がって,
やっと自分の空中フォームが何とか確認できるくらいの大きさに見える位置から
30秒前の自分のエアを眺めることができます.
ちょっとあわただしい.
もうひとつ不満なのがカメラアングル.
ゲレンデ下からの撮影なので、サッツの部分が台の影になってしまって
確認できません. これはイマイチ度大です.
システムの設計者はトバナイ人なんだろうな〜と思ってしまいした.
ともかくそんな感じで徐々に調子を取り戻して,難度もあげていって
360なんかを跳んでいるときに1人のスキーボーダーが現れました.
自分以外のスキーがスノーヴァでどんなエアをするのかとても興味があったので
注意して見ていると…
彼のエアが高い!!
スノーボードで他の人より高く跳んでいる3人とタメをはるくらいあがっています.
スキーボードであんなに高く跳べるとは思っていませんでした.
技の方もジャパン540やバックフリップ,ミスティー,バラニー等をこなしていて,
短板のエアにたいする認識を改めさせられました.
彼のような人がゴロゴロいるとは思えませんが,
時々でもあのレベルの人のエアを間近に見ながら跳べるなら,
私にとってスノーヴァの価値大幅アップです.
彼のエアを見ながら,その高さに近づけようと跳んでいるうちに自然と恐怖感も薄れていました.
骨折後の初エアを楽しくしめくくり,
今回はかなり満足の行く90分間でした.
きっとそう遠くないうちにまた行くと思います.
完
前回分 療養日記編(その8)
そもそもの発端 事故編
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