マウスピースについて(その2)

マウスピースについてで私が作ったのは, マウスピースの内で「マウスガード」と呼ばれる種類のものです.
望月スポーツ歯学研究所 にもちょっとだけ紹介されていますが,スポーツ用のマウスピースには,この 「マウスガード」の他に「テンプレート」と呼ばれる種類が有ります.
今回はこの「テンプレート」についてです.

マウスガードは上顎の歯全体に被せて,歯や頭部や顎を衝撃から守るのを主目的と しています. それに対してテンプレートは奥歯で噛み締める形になっていて 噛み合わせの矯正と,奥歯の保護機能を目的としています. ここで言う「保護」とは,外部からの衝撃に対する保護と,筋力発揮時にプレーヤーが 奥歯を噛み締めることでおこる,歯の摩耗からの保護の2種類があるようです.

ところで「奥歯の保護」は「王選手はインパクトの瞬間奥歯を噛み締めていたので, 現役引退する時には奥歯がボロボロだった」とか「重量挙げの選手が歯を食いしばって 奥歯が割れてしまうことがある」とかいう話 (本当かどうかは知りませんけど)を何度か聞いたことがあって, 「奥歯の保護も必要かな〜」という気にさせられますが,「噛み合わせの矯正」って ピンと来ますか?

噛み合わせが狂うと,頸椎のずれや,首の筋肉の緊張が生じて,それが脊柱全体の歪みに 発展するとパフォーマンスの低下や,ひどい時には頭痛や腰痛や内臓疾患等が起きるそうです. この発想はカイロプラクティックアレキサンダーテクニックと通じてますね.
で,テンプレートを装着すると姿勢が正されて,無駄な筋肉の緊張が 解ける結果,パフォーマンスが向上するという理屈です.
首の筋肉の緊張が解けると脳への血流が増えて,集中力や思考能力の向上も期待できるとか…

さて,このテンプレートの詳細については, テンプレート研究会 前原歯科が 参考になります.
テンプレートとスポーツパフォーマンスの関係については, 新しい医療:バイオプレート治療スポーツ能力と学習能力の向上 が詳しいです. しかしこのサイト, 書いてあることの合理性の判断は皆さんにおまかせしますが, あまりに絶大な効果をうたっていて,私は胡散臭さを感じてしまいました. あと「バイオプレート治療」の費用についてふれていない のも,私は気に入りません.

ちなみに一般的な話として,テンプレートは十数万円〜するようです. 頭痛や腰痛の治療としてテンプレートを作って,治療費も合わせると,テンプレート療法が 健康保険適用外なために30万円程度になるという話を聞いた覚えがあります.

ところで,私がテンプレートの存在を初めて知ったのは,「グラップラー刃牙」という 週刊少年チャンピオン に連載されている漫画でした. この漫画に登場する空手家(チョイ役)が使っていて, 具体的な数字は忘れましたが,「筋力??%UP, 反射速度 ??%」と,上のページに 書いてあるように身体能力を飛躍的に高めると説明していて, 「漫画だな〜」と思ったのを覚えています.
しかしその一方で,特別な訓練なしで潜在能力を発揮させる,その漫画的アイテムには かなり魅力を感じました.
何とか楽して上手くなろうって甘い考え…

テンプレート療法自体はまともな治療法で, 効果 もあるようですが,スポーツパフォーマンスにどの程度の効果があるかは,人によっても 異なるでしょう(噛み合わせや骨格のズレの大きいほど効果も大きそうです).
どの程度の効果があるかも分からない物に十数万円も払う人はあまりいませんよね?

ところが,前回のマウスガードに関するページを書くために,調べてみると,ごく最近, マウスガード同様に熱湯で成形するタイプのテンプレートが発売されていました. 価格も¥3000以下とのことで,かなり興味をそそられます.
現在購入手配中です. 入手できたら又報告します. 多分エアには使わずウェイト トレーニングでの試用記になると思いますけど…

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