トレーニングについて(その2)
トレーニングについて(その1)で書いた,
練習手段の選択法方について少し詳しく書いてみます.
- 自分の理想のスタイルをイメージする.
- 自分の現状を客観的に把握する.
- 理想と今の自分との違いが何なのかを分析する.
- その違いを埋めるためにはどんなトレーニングが必要か考える.
- 考えたトレーニングを実行する.
- トレーニングの成果を確認し 2. の現状の把握 にフィードバックする.
まず1.「自分の理想のスタイルをイメージする」とは要するに目標を立てるということ
ですが,この目標は具体的であればあるほど良いです.
だから「でっかく跳ぶ」ではなくて「〜のパークのテーブルでランディングバーンの半分
以上跳ぶ」とか,「スタイリッシュに回る」ではなくて「ハントニー540で270フリーズを
いれる」とか,「立つ!」ではなくて「グラブバックで100%,ロデオ5で80%メイク」
等と数字にできる目標はとにかく数字にしてしまう. まぁ,そんなに極端なことをする人は
めったにいないとは思いますが,それくらいするつもりで目標を具体化するってことです.
数字にできない文字どおりの「スタイル」を目標と
するなら,理想のエアでの板のクロス具合から,腕の伸ばし方,頭の向き等々がイメージできる
ようにすると良いです.
次に2.「自分の現状を客観的に把握する」これも出来る限り具体的かつ客観的に把握しましょう.
飛距離,高さ,スピンの回転数,グラブのバリエーション,etc. 1.と同じく数値化できるものなら
数値化してしまいましょう.
スタイルについては「あいつよりカッコいいはずだ」ではなく本当の姿をビデオで確かめることを
お勧めします.
上記2つに関しては順序が前後してもかまいません.
どちらも 3.「理想と今の自分との違いが何なのかを分析する」ための資料集めです.
理想と現実を具体的に把握したら,2つを比較して,その差を見つめます. 理想と現実があまりに
かけ離れていると感じた人もご心配なく. その理想と現実との間にいくつか中間目標を設定すれば
良いのです. 最終的な理想像である「長期目標」,その目標へのマイルストーンとなる「中期目標」,
ここ数回のトレーニングでの技術課題「短期目標」と目標を3段階に分ける法方がポピュラーです.
こうして確実に手の届きそうな目標と現在の自分との違いを分析します.
例えば「〜のパークのテーブルでランディングバーンの半分以上跳ぶ」のが目標で現状1/3しか
跳べないとしたら,その原因を探ります. 助走スピードが足りないのか? サッツが悪いのか?
恐がっているのか? ジャンプ力が足りないのか? etc.
うまく分析できない場合,理想と現実のギャップが心技体の3つの要素の内のどれなのかのかを考え
てみると良いかもしれません.
それぞれメンタルトレーニング(or リスクトレーニング),技術トレーニング,体力トレーニングに
よって向上可能です.
ちなみに,初中級レベルの場合には,大抵は技術トレーニングが上達への一番の早道であり,かつ
トレーニング自体も楽しめると思います.
そして,4.「違いを埋めるために必要なトレーニングを考える」.
3.の分析がうまく出来ていれば,どのようなトレーニングが必要かは見えてくるとは思います.
例えば飛距離が足りない原因が「助走のスピードが足りない,なぜなら速い助走だとサッツを
合わせられないから」だと分析できたら,
「サッツを失敗しても安全なウォータージャンプで速い助走に慣れる」
「サッツのための準備動作を早めに開始する技術を学ぶ」
「SAQトレーニングで全身反応速度を向上させる」
等のトレーニングが考えられるでしょう.
具体的なトレーニング法方については,様々な分野(スポーツに限らず)のトレーニング法方を
調べてみると,参考になる法方を見つけられると思います.くれぐれも根性論(やオカルト)に走らず,
論理性を大切にして下さい.
この時以下のことについても考慮しておくことは忘れないで下さい.
- そのトレーニングの危険性
- そのトレーニングの場所と費用
- そのトレーニングは楽しいか
そして 5.「考えたトレーニングを実行する」
どんなに効果的なトレーニングを考えても,
考えただけで満足してしまって,実行しないんでは意味が有りません.
ここで確実に実行するためにも 4. の最後に書いた3つの要素を重視して下さい.
大抵のトレーニングは,何度も反復することで成果が期待できるわけですが,
危険なトレーニングを頻繁に繰り返すのは自殺行為だし,遠くに出かけなければならなかったり
費用の高いトレーニングを頻繁に行うのは難しいし,楽しくないトレーニングは長続きしません.
最後に 6.「トレーニングの成果を確認し 2. の現状の把握 にフィードバックする」.
トレーニングを続けてもなかなか効果が現れないなら,別のトレーニングに
切り替えるべきでしょう. また,確かにトレーニング効果があったとしても,一定の
トレーニングを続けていると,上達曲線が鈍ってきます. こうした壁を越えるためにも,
全面的な技術向上をはかるためにも,別のトレーニングに
移ったほうがよい場合もあります. しかし,トレーニングを切り替えるべきか否かは,
トレーニングの成果を確認しなければ判断のしようが有りません. だからトレーニングの
成果をきちんと確認しましょう. 「成果確認」が難しければ,トレーニング記録をとり,
その記録にトレーニングをどう感じたか(ex. 難しい,簡単,つらい,らくらく,etc.)を加えて
おくとよいでしょう.
参考になるかもしれない文献,URL
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